ヨーロッパ・クラシック耐久選手権の2017年シーズンが10月末にアラゴンで終了した。往年の耐久マシンルックのレーサーがバトルする、日本で言うとテイスト・オブ・ツクバのようなレースはノスタルジックな雰囲気が満点。2017年はそこにチーム・クラシック・スズキのGSX1100SDカタナレーサーが殴り込みをかけて話題となったが、果たしてどのようなシーズンになったのか。
あと一歩で表彰台まで迫ったカタナレーサー
欧州のチーム・クラシック・スズキがちょうど1年前の2016年11月に英国のバイクショーで公開したGSX1100SDカタナレーサーは、2017年5月、第1戦のドニントンパークでデビューした。予選6位と上々の滑り出しで決勝のウォームアップも2位を記録したが、オープニングラップで転倒してリタイヤ。第2戦のスパ・フランコルシャンは、マン島TTなどで活躍するガイ・マーチンを起用し雨の中7位を獲得。第3戦は参戦せず最終戦のアラゴンでは、4時間耐久の3時間56分でマシントラブルでリタイヤに。3位走行中だったがあと一歩で表彰台を逃してしまった。
欧州の旧車好きは2眼耐久スタイルが好み?!
ヨーロッパクラシック耐久選手権は、5月=英ドニントンパーク、6月=ベルギーのスパ・フランコルシャン、9月=伊イモラ、10月=スペインのアラゴンの年間4戦で組まれており、マシンの多くは往年の耐久カウルスタイルが定番。レースは4時間耐久で夜間も走ることから2眼のヘッドライトにコーナリングライトを装着しているマシンもある。エントリーリストではカワサキとスズキの空冷4発が多いが、ホンダ系チームも速さを見せている。ヤマハは希少でヨーロッパらしくドゥカティやBMWも参戦している。
1985年末生産までのバイクが参戦可能
クラス以下の3つでレギュレーションの抜粋を掲載。ちなみに全車ヘッドライトの装着が義務付けられている。
Maxi Classic
1982年12月31日までに生産された2気筒以上のバイク。排気量は自由だが拡大は340ccまで。ホイールは18インチ。
Classic1000
1981年12月31日までに生産された2気筒以上のバイク。排気量は1000ccまで。4気筒4バルブ車は750ccまで。ホイールは18インチ。
750TT
1985年12月31日までに生産された4ストロークは750ccまでの2バルブモデル。2ストロークは2気筒までで、排気量は340~500cc。ホイールはリム幅4インチ以下でタイヤ幅は150mmまで。
このスタイルは日本でも流行る?!
世界に誇る日本のビンテージバイクレース「テイスト・オブ・ツクバ」では’80年代AMAスタイルのモンスタークラスが人気。ヨーロッパクラシック耐久選手権との共通点は1980年代空冷4発18インチと似ているが、テイストはゴリゴリのスプリントレースでヨーロッパは夜間走行もある耐久レースと楽しみ方は対照的だ。だが最近は250ccのもて耐が夜間走行も実施して話題となっているし、日本では伝統的に8耐は人気レース。なので日本でもビンテージ8耐を開催したら人気になるのでは?!
ギャル? もエントラントも年齢層は高め。オトナが楽しむレースとして親しまれている雰囲気が伝わる。本誌でもいずれ予算を組んで現地取材をしてみたい。
ニュース提供:EUROPEAN CLASSIC SPORTS、TEAM CLASSIC SUZUKI