東京モーターショー出品車紹介

初代のテイスト満載!  スーパーカブC125はプレミアム・ミニだ

つい先だって、世界累計の生産台数が1億台に到達したホンダ・スーパーカブ。東京モーターショーに出品される「スーパーカブC125」は、その新たな方向性を提案するコンセプトモデル。実用車としての能力を追求してきたスーパーカブとしては初めて“ファン領域”に踏み込む1台なのだ。

例えるならBMWミニ。「プレミアム小排気量」の提案だ

その特徴は何といってもデザインである。1958年(昭和33年)に登場した初代スーパーカブ・C100を現代風にアレンジしたスタイリングは、4輪ならBMWミニや現行フィアット500に相当する、偉大な初代をオマージュしたモダンクラシック路線。ブルーの車体に水色のレッグシールド、赤いシートという配色はC100そのものだし、カモメの翼のように両端が持ち上がったハンドルやヘッドライト下のホーングリル、ウインカーやテールランプ形状などなど、見れば見るほどそのモチーフは初代譲りだ。

スーパーカブC125。1958年の初代スーパーカブC100のデザインをモダンにアレンジしつつ、質感や仕上げにもこだわり、小排気量車ながらプレミアム感も漂わせる。

スーパーカブの初代モデル・C100(といっても50cc)。60年近く前のバイクだが、そのデザインは今に続くカブそのもの。工業デザインの金字塔だ。

全体の雰囲気もさることながら、リヤウインカーの位置やシート下のエンブレムなど、スーパーカブC125は細部まで徹底してC100をアレンジ。LEDライトやキャストホイールなどモダンパーツとの融合も見事。

車体がブルー、樹脂製のFフェンダーやレッグシールドが水色という特徴的な配色は、当時は樹脂パーツが同色化できなかったがゆえの窮余の策。ともあれ、今となっては立派なC100のアイコンだ。

 

細部までC100をオマージュ。質感も非常に高い

細部までこだわり抜いた質感や装備は、C125が実用車から趣味のモーターサイクルへと踏み出した証。灯火系はすべてLEDだし、スマートキーや電動シートオープナー、液晶&指針のコンビメーターといった上級装備を満載。さらに17インチのキャストホイールやフロントのディスクブレーキ(フロントはABSも装備)で走りの安心感を得た上に、金属製リヤフェンダーを始めとする各部のメタルパーツで上質感も追求された。キャリアを「Honda」のH型にデザインしたり、C100のレッグシールド内側上部に存在するエアクリーナーの蓋まで(ダミーながら)再現するなど、遊び心や洒落も利いている。

エンジンはグロム系の転用。原付二種の最大排気量・125ccがもたらす余裕の走りに加え、振動低減やシフトフィール向上にも配慮してフィーリングの上質さも追求。それでいながらカブのアイデンティティである自動遠心クラッチ機構はしっかり採用しており、クラッチレバー操作は不要とされている。スーパーカブのDNAを継承するスタイリングから純日本製と思いきや、デザインはタイで、生産もタイ工場を想定。彼の地でも、C125のような丸目クラシカルなデザインが人気上昇中なのだという。

F:70/90-17 R:80/90-17というタイヤサイズは現行110と共通。撮影車のタイヤはIRC製だった。フロントのディスクブレーキにはABSも装備。

配達や商用ユースより、街乗りのオシャレな相棒的存在。60周年を迎え、スーパーカブの新たな領域へと切り込むC125。現状ではコンセプトモデルとされているが、発売されるのは間違いないだろう。本誌予測の発売時期は‘18年の末としておこう。

●撮影:山内潤也

マツ

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「西部警察」と「北の国から」をこよなく愛する本誌編集部員。NSR専門誌・PROSPECのほか、フリーペーパーとして復活を果たしたビッグマシン零(ゼロ)の編集長も兼任する。
■1975年生まれ
■愛車:HONDA NSR250R(1992)/HARLEY-DAVIDSON XL883(2009)

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