SurLuster Garage Talk with Motorcycle Lovers Vol.2 モトコルセグループ代表・近藤 伸さん
文:Nom 撮影:徳永 茂 ●BRAND POST提供:シュアラスター
白い外壁と大きなガラス扉が印象的な外観の店舗前には、入口の左手に最新のドゥカティが整然と並べられ、その上に「DUCATI」の看板が見える。パッと見は、大きめのドゥカティディーラーだが、一歩店内に入るとここがただのドゥカティディーラーではないことがすぐに分かるはずだ。
DUCATIのロゴ看板と店舗前に並ぶドゥカティのバイクで、ドゥカティディーラーであることが分かるモトコルセ・ムゼオ。しかし、一歩店内に入ると、希少で高価なバイクが数多く並んでいるのに気づき、特別なショップであることもすぐに分かるはずだ。
まず、右手の接客カウンターの背後にある巨大なドゥカティバイクの写真パネルに圧倒される。そして、店舗中央には、数々のドゥカティの新車が並び、詳しい方ならその中にSTDから大きく変貌したモトコルセオリジナルのカスタムマシンが混じっていることに気づくだろう。
左手に目をやると、ガラスで区切られ、壁面に「BORGO PANIGALE」(イタリア・ボローニャにあるドゥカティの本拠地の地名)というロゴが入ったコーナーがあって、ドゥカティのスーパーバイク・パニガーレがずらりと並んでいる(超軽量かつ超高価なスペシャルバージョンのスーパーレッジェーラを含むその数なんと11台!<取材当日>)のが目に入るはず。
高品質な中古車のみを扱うボルゴパニガーレには、希少なスーパーレッジェーラを含むドゥカティ・パニガーレがズラリと並んでいる。「これだけの台数のスーパーレッジェーラ全モデルが揃っているのは世界でもここだけかもしれません。集めるのにかなり苦労していまして、集めるのが目的ではありませんが楽しいんです」と近藤さん。良質なパニガーレをお探しの方はぜひ一度、訪ねてみてください。
初めてここ、ドゥカティディーラーを3店舗展開するモトコルセの総本山である「モトコルセ・ムゼオ」(ムゼオとはイタリア語でミュージアムのこと)を訪れた方は、この段階で大きな驚き、あるいは衝撃を受けるかもしれない。バイクに詳しい方ならなおさらだ。
そして、ドゥカティ・スクランブラーのパネルの後ろのスペースには、ビモータ、ヴァイルス、アヴィントンといったなかなか見る機会もないような珠玉の名車がこれまたズラリと並んでいることに気づくはず。
そして、タイミングが合えば、非常に柔らかい物腰で対応してくれるモトコルセグループ代表の近藤伸さんに会えるかもしれない。
超高価で、非常に希少なモデルを含んだバイク群とそれらのバイクをさらなる高みに導いてくれる宝石のようなオリジナル・カスタムパーツの数々を製造・販売するモトコルセグループのトップでありながら、話をした人が感じるのは近藤さんが根っからのバイク好きである、ということのはず。
ニューモデルやコンプリート・カスタムマシンのテストを兼ねて、お客様とのツーリングやイベントに自らバイクをライディングして出かけ、尽きることのないバイク談義を楽しむ近藤さんは、グループの経営者でありながらバイクを心から愛し、楽しんでいる一人のライダーでもある。だから、自分が乗るバイクは曇りや汚れがひとつもないほどピカピカに磨き上げられている。
「磨きマニアなんですよ。サーキット走行会の待ち時間には、ワックスを吹き上げた後のウエスを使ってブレーキレバーの付け根やホース・配線類、そしてブレーキキャリパーやチェーン、スプロケットからホイールベアリングの側面まで指先と爪を駆使して徹底的に磨きます。翌日には爪が浮いて痛くなります」
そんな近藤さんに、今回、シュアラスターワックスの最高峰モデルである「マスターワークス」を試していただいた。以前から、ワックスはシュアラスターの一択だったという近藤さん。マスターワークスの評価が楽しみだ。
自分が気に入ったものを取り扱っているだけです
バイク好き垂涎のモデルばかり取り扱うモトコルセだが、その基準はとてもシンプルだ。
「基準は自分達が納得出来るかどうかだけです。自分達が気に入ったものだからこそ楽しめますし、お客さまにもオススメできます。」
近藤さんに、モトコルセが取り扱うバイクのそれぞれの魅力を教えてもらった。
「ドゥカティはやっぱりパッション、情熱ですね。サーキットに特化したブランドでありながら、ツアラー、クルーザー、ストリートファイター、そしてカジュアルなど使用目的ごとに最大限楽しむためのバイクを作り込む、ブレないブランドです。ビモータは、服で言えばオートクチュール。ボディ、メカニズム、グラフィックに至るまで徹底的に凝って作り込んでいます。だから台数もそんなに作ることができないし、それがまた希少性という魅力にもなっています」
「ヴァイルスは時間と共に愛着が深まっていく感覚のバイク。たとえば、フロントサスのマウントが左足に当たるなぁと思っていても、ヴァイルスと暮らす楽しさによりいつの間にかそれにも馴染んでくる。機械というよりも生き物、ともに暮らすペット的な印象ですね。そして、四輪のシェルビーコブラをモチーフにしたというアヴィントンは、シェルビーコブラのフレームと同じ径のパイプをバックボーンフレームに使用して、1647ccもの巨大な空冷Vツインエンジンを170㎏という超軽量な車体に搭載したモンスターです」
とても簡潔に、しかし特徴が確実に人に伝わるようにモトコルセが取り扱うバイクを説明してくれた。さらに各モデルを詳しく知りたい方は、モトコルセのウェブサイトをご参照ください。
カワサキ・ニンジャH2エンジンを搭載する新生ビモータのTESI H2や、従来ではありえない発想のデザインを具現化した世界限定20台のヴァイルス988エイリアンなど、滅多に見ることのできない希少車が所狭しと並んでいる。
S&S製の巨大な空冷Vツインエンジンを超軽量車体に搭載して、超ド級の加速力を発揮するアヴィントン。押し出しの強さは他に類のないバイクだ。
可愛い娘を他人の家に置いて帰りたくないですよね
高価で美しいバイクを日常的に取り扱うモトコルセでは、どのような気持ちでバイクに向き合っているのだろう。
「大切な愛車に愛情を注いでいらっしゃるお客さまの気持ちに、誠心誠意応える方法を常に考えて行動することをスタッフに徹底しています。メンテナンスや修理でご来店いただいた場合、お客さまとしてはできれば大切な愛車を預けたくない、可愛い娘を他人の家に置いて帰りたくない、そんな気持ちだと思うんです。ですから、作業内容次第とはいえ事前に準備を整え、出来る限りその日のうちに作業が完了するように心がけています」
なかなか手の出ないような高価なバイクを取り扱っているからこそ、その価値に見合った接客や対応を常に心がけているモトコルセ。当然だが店内に展示しているバイクもすべて美しく磨き上げられている。
「ウチは、国内外のバイクショーにオリジナル・コンプリートバイクやカスタムマシンを展示しますが、事前にエンジン以外は全バラ(全分解)にします。バイクが組み上がった状態だと磨けない部分があるからです。分解し部品単位で磨き上げて、そこから組み直して展示する状態にします」
何とも手間ひまのかかる作業をしているわけだが、モトコルセとしてはそれが日常で、ショーの展示バイクのみならず、お客さまのバイクに対しても同じ思いで接しているというのだ。
それではボチボチ、近藤さんとワックスの関係について聞いてみることにしよう。
若いころから「いいモノ」に魅かれていた。だからワックスはシュアラスターの一択!
若いころから、身に着けるモノ、趣味のモノなどは「いいモノ」にこだわっていた近藤さん。当時の自分には似つかわしくないようなブランド品を好んで買っていたし、いいモノが与えてくれる満足感の高さに魅了されていたという。
「40年くらい前ですかね、用品店でシュアラスターがワックスコーナーに並んでおり、説明書をじっくり読んで購入しました。それ以来ほかのワックスを使ったことはありません。天然カルナバ蝋という言葉を知ったのもそのときで、その言葉の響きに違いと品質を感じました」
近藤さんが手にしているブルーの缶が代名詞であるシュアラスターの固形ワックス。40年来の近藤さんの愛用品である。
その当時は、新車には手が出なくていつも中古車が愛車だったそうだが、丁寧にワックスをかけ磨き上げて楽しむことでどんどん愛着が湧いていったという近藤さん。
「ワックスは消耗品とはいえ、ゴルフのクラブや釣り道具と同じで、楽しむためのツールだと思うんです。自分が使う道具ですから、出来る限り高品質な道具を選びたいですよね。シュアラスターのワックスは、そんな気持ちに応えてくれるモノなんです」
今回使っていただいた、シュアラスターの最高峰モデル・マスターワークスは、固形ワックスの原料として有名な「カルナバ蝋」を通常よりも丹念に精製。化粧品にも使用されることから「コスメティックグレード」と呼ばれる最高品質の天然カルナバ蝋を使用している。
「そんな最高のモノがあるなら、もっと早く教えてよ! という感じです。いいモノを使って、至福の時間をじっくりと味わうことは無類の楽しみですから、その時間をさらに満足させてくれるモノを使いたいので」
鮮やかなドゥカティレッドをまとったスーパーバイク・パニガーレのスクリーンとタンクを、マスターワークスを使って磨き始めた近藤さん。
「スポンジを水で湿らせて、少量を付けて塗り込んでいくと、とても伸びがいいのが分かりました。伸びがいいので少量のワックスで充分です。拭き上げ感も柔らかく粉が出ないところもいいですね」
「ワックス拭き取りクロス」を使って拭き上げると透明なスクリーンは透明度が一段と増したようにクリアに仕上がった。また、タンクのドゥカティレッドは拭き上げるたびにしっとりと濡れたような艶を帯び始めていく。そして、最後に「鏡面仕上げクロス」を使用すると、さらに一点の曇りもなくなるように磨き上げられていく。
鏡面仕上げクロスで丁寧にワックスをかけた部分を磨き上げる。「車と違って形状の異なる面や隙間が多いため、5本の指を大きく広げて指先と手のひらをセンサーとして磨き面にクロスをはわせ、なめるように磨くことでクロスに付いたワックスが車体にくまなくなじんで、隙間も磨かれてバイク全体の艶が増していきます」と、拭き上げの際のノウハウを近藤さんが教えてくださった。
「スクリーンとかメーターなどは、常にライダーの視線に入るところですから、ここがキレイだと気分もいいものです。そして、気を付けたいのがそのメーターの後ろ部分。普通はあまり気にとめないところですが、ここがきれいじゃないとガッカリしてしまいます。お客さまのバイクでも、気づかずにここが汚れたままになっているのを見かけることがあります。お客さまに磨きのポイントを説明させて頂くことで、寸分の隙もなくピカピカになったご自身のバイクを見て、さらなる磨く楽しみと愛着を感じていただけるように心がけています」
筆者が指を入れている、メーターの裏側などをついつい汚れたままにしがちなのだと近藤さん。こういう細部まで常に磨き上げているのだそうだ。
大切な愛車を愛でる時間は、ライディングを楽しむときと同じように自分にとって大切なものだという近藤さん。最近、主流の手軽で簡単な液体やスプレー式のワックスに比べ、ワックス前の水拭きなど本来の手入れのセオリーにならいながらその手間をも楽しみに感じさせてくれる固形ワックスは、愛車と対峙する時間を増やしてくれて、その分、愛着も増していくのだと言う。
MotoGPマシンにMOTO CORSEのステッカーを発見!
最後にひとつ、トリビア的なお話を。
先日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催されたバイクの最高峰ロードレースである「FIM世界選手権シリーズ MotoGP日本グランプリ」。
MotoGPクラス12チームのうち、なんと9チームが使用するイタリア・カピット社のタイヤウォーマーの日本総代理店を務めるなど、レースの世界にも深くかかわっているモトコルセだが、昨シーズン限りで引退した「生きる伝説」ヴァレンティーノ・ロッシ率いる「Moony VR46 Racingチーム」のMotoGP、Moto2マシンのアンダーカウルには「MOTO CORSE」のステッカーが貼られている。
現地で、あるいはTVでMotoGPレースを観戦していて気づかれた方もいらっしゃると思うが、「なんでMotoGPにモトコルセ?」と疑問を抱いた方もいるかもしれない。
MotoGPチームの「Mooney VR46 Racingチーム」のドゥカティ・デスモセディチGP22やMoto2マシンのアンダーカウルに貼られたおなじみのMCマークのモトコルセステッカー。カウル先端だけに非常に目立つ。(写真協力:モトコルセ)
種を明かすと、イタリアには近藤さんとは兄弟のような存在だというイタリア人のダビデさんが代表を務める「モトコルセ・イタリア」があり、イタリア独自のパーツのプロデュースや日本のモトコルセのパーツの取り扱いを行っているのだそうだ。
そして、そのダビデさんと「Mooney VR46Racingチーム」との深い関係があって、チームをスポンサードしているのだという。
おなじみの丸いモトコルセのMCマークが、MotoGPマシンに貼られているなんて、モトコルセのお客さまにとってはとても誇らしいことに違いない。これも、常にお客さま第一で、ストレスなくバイクライフを満喫していただきたいと願っている近藤さんの思いのひとつの表れなのかもしれない。
インタビューの模様はこちら
記事で紹介したアイテム
取材協力:モトコルセ ムゼオ(MOTO CORSE Museo)
神奈川県厚木市酒井3011番地
電話:046-220-1711
営業時間:10:00~19:00
定休日:火曜日
https://motocorse-museo.jp/
※本記事はシュアラスターが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。