マキシス スーパーマックススポーツMA-SP試乗インプレ【運動性と万能性を高次元で両立!】
まさかここまでスポーツライディングが楽しめるとは…。マキシスの最新ハイグリップラジアルタイヤ「スーパーマックススポーツMA-SP」は、日欧のライバルが販売する同ジャンルの製品と互角に戦える資質を備えていた。
●文:中村友彦 ●写真:長谷川徹 ●BRAND POST提供:チェンシンタイヤ
抜群の包容力であらゆる用途に対応
モトクロス/ダートトラック/小排気量ロードスポーツ/スクーターなどの世界では着実にシェアを拡大しているものの、250cc〜リッタークラスに適合するハイグリップラジアルで、本領を発揮するのはこれから…。台湾を拠点とするマキシスに対して、これまでの僕はそんな印象を抱いていた。
もちろん、4輪や自転車界でも名を馳せた同社は、近年は世界トップ10に入るタイヤメーカーである。とはいえ、従来のマキシスの方向性を考えると、ハイグリップラジアルのノウハウはまだ獲得できていないような…?
ところが、「スーパーマックススポーツMA‐SP」を履いたMT‐09で、市街地/高速道路/峠道をじっくり走り込んだ僕は、自らの見識の甘さを反省することとなった。同社のハイグリップラジアルは、すでに日欧のライバル勢に匹敵する性能を備えていたのだ。
と言っても、MA‐SPは強烈なグリップやシャープな旋回性といった挙動で、潜在能力の高さを積極的にアピールしてくるタイヤではない。基本的な特性はあくまでもニュートラルで、ハイグリップラジアル初心者でも気軽に付き合えそうなのだが、ここぞ!という場面、ブレーキングやバンク時、コーナーの出口でアクセルを開けた際などには、濃密な接地感を披露してくれる。だから、乗り手は自信を持っていろいろなことに挑戦したくなるのだ。
中でも印象的だったのは、峠道で感じたフロントまわりの従順さ。単にコーナー進入時のブレーキがかけやすいだけではなく、旋回姿勢に入ってからのスピードとバンク角調整が容易に行えるものだから、多少オーバースピードでも何とかなるさという気分で、安心してコーナリングが楽しめた。
それに加えて、ウェット路面での接地感や冷間時の暖まりの早さ、乗り心地の良さなども、このタイヤの特筆すべき要素。もっとも今どきのハイグリップラジアルは、万能性を意識した製品が増えているのだけれど、マキシスが近年のトレンドをきっちり取り入れ、ツーリングタイヤを思わせる包容力をMA‐SPに与えたことに、僕は大いに感心。いずれにしてもこういった特性なら、走行条件の悪化をほとんど気にすることなく、どんな場面でもスポーツライディングが満喫できそうだ。
試乗後の僕の脳内からは、冒頭で述べた”まだこれから”という意識はすっかり消え去っていた。それどころか、ハイグリップラジアルという分野においても、マキシスが日欧のライバルと同じ舞台に上がって来たことを、今あらためて実感しているのだった。
HDFS(高分散性フルシリカ)
新開発コンパウンドのHDFS(High Disperson Full Silica/高分散性フルシリカ)は、ウェット性能の強化を主な目的としているものの、ドライグリップも向上。接地圧に関しては従来の同社製品から11%の向上が確認できたという。ちなみに、ひと昔前はツーリングタイヤ用というイメージが強かったシリカだが、最近はハイグリップラジアルでも普及が進んでいる。
SSB(スパイラルスチールベルト)
現代のラジアルタイヤのキモにして、カーカスを締め付ける補強材は、スパイラルタイプのスチールベルト。回転方向と平行に連続してらせん状の素材を巻き付けることで、しなやかなフィーリングを実現している。
PSB(プログレッシブスパイラルベルト)
プログレッシブスパイラルベルトは、部位に応じて補強材の密度を変更する技術。あらゆる場面で信頼感を得られることを念頭に置いて、スーパーマックススポーツMA-SPはセンターからショルダーに向かうに従って密度を下げている。
DCR(デュアルコンパウンド/リヤのみ)
ライフとグリップ力の両立を図るため、リヤはデュアルコンパウンドを採用。耐摩耗性に優れるセンターのコンパウンドがショルダーの下層に潜り込むCAP+BASE構造は、現代の公道用ラジアルのトレンドだ。
チェンシンタイヤ(MAXXIS)販売代理店募集
- 問い合わせ:MAXXIS RUBBER JAPAN 株式会社
- 住所:神奈川県横浜市中区山下町1番地 シルクセンター国際貿易観光会館323号室
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- 担当:邱仕杰(キュウ シケツ)
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