マキシスのハイグリップラジアル「MA-SP」試用インプレッション【ワンランク上の剛性感】
自転車/乗用車/トラック/バギーなど、ありとあらゆるモビリティに採用されているタイヤブランド「マキシス」から、スポーツバイク向けのハイグリップラジアル「スーパーマックススポーツ MA-SP」が登場。その試乗インプレッションを紹介する。
●文:伊丹孝裕 ●写真: 真弓悟史 ●BRAND POST提供:●文:ヤングマシン編集部(伊丹孝裕) ●写真: 真弓悟史 ●取材協力:チェンシンタイヤ
ハードな走りも許容するフロントタイヤの包容力
台湾で設立され、現在は世界180余りの国で販売されているグローバルタイヤブランド・マキシス。その規模は常に世界のトップ10の中にあり、特に4輪や自転車では数多くのメーカーが純正タイヤとして採用。2輪の小排気量モデルやオフロードの世界でも確固たるマーケットを築いている。
そんなマキシスのラインナップに加えられたオンロード用ハイグリップラジアルタイヤが「スーパーマックスMA-SP」だ。同社の製品には、これまでも「スーパーマックスST」や「スーパーマックスダイヤモンド」などがあったが、このMA-SPにはフロント110、リヤ140といったサイズが用意されたことがトピックだ。というわけで、ヤマハYZF‐R25に装着したフィーリングをお届けしよう。
YZF-R25には、通常IRCのバイアスタイヤRX-02が採用されている。この製品はオール85点の万能タイヤといった佳作ゆえ、大きな不満を持つユーザーは多くないだろう。
しかしながら、やはり直接比較するとステージが異なる。MA-SPはすべての点において上質であり、操る楽しさを引き上げてくれた。
最も印象的なのは、フロントタイヤの剛性感だ。トレッド内部に2層のアラミドベルトを採用(他サイズはスチールベルト)したことにより、ブレーキを残してフロントに強い荷重を掛けたまま車体をリーンさせた時も不安な挙動はなく、常に一定の接地感をフィードバック。YZF-R25は、そもそも車体前部の安定性に優れるモデルなのだが、それがより一層強調され、このクラス特有の頼りなさ、あるいは線の細さといったものが解消されている。
それゆえ、例えばコーナリング中にブレーキ圧を強めたり、さらにひと寝かしするような入力も許容。結果的にラインの自由度も高められている。
これに対するリヤタイヤは黒子的というか、あまり主張してくるキャラクターではない。言い方を変えると直立状態でもフルバンク状態でも手応えはナチュラルそのものだ。常に高いグリップ力とトラクションを発揮し、ハンドリングをサポート。これがあるからこそフロントタイヤをねじ込むようなライディングでも破綻しない。
今回、上り下りの多いワインディングでテストを行ったのだが、上りではリヤの追従性、下りではフロントの安定性がそれぞれ引き出され、終始スポーツライディングの心地よさが妨げられることはなかった。
このクラスのタイヤとしては珍しく、トレッドのセンターとショルダーで異なるコンパウンドが盛り込まれているほか、ウエット路面で効くシリカも配合。250ccクラスの新たなスタンダードタイヤになり得る製品である。
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