
「見逃さない/ミスしない/身体に優しい」メカニックの仕事を支えるバイクリフトは、一度でも利用すれば、その“ありがたさ”と“素晴らしさ”が誰にでも理解できる存在だ。モトメカニック編集部がお勧めする使い勝手良好なリフトがコレだ!! さらに絶版車整備のプロメカニックが使用する工具を紹介する。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:moto-JOY
何よりも仕事のミスが減るバイクリフト
バイクリフトがあることで「何よりも仕事のミスが減ると思います」と話すのは、モトジョイ(三重県)の米倉マネージャー。普段はなかなか見る機会がない車体やエンジンを下から覗き込むことができるので、気が付かずに見過ごしてしまいそうな箇所にも目が届くようになり、「ここも確認しておこう」と隅々まで気配りできるようになるそうだ。
確かに、バイクショップのサービスルームでメカニックが整然とメンテナンスしているのはカッコいいものだ。メカニックが地面へ寝転がり、バイクの周辺に工具が散乱している状態は、決して美しいものではない。
メカニックにとっても大切な“カラダに関する話”も興味深かった。バイクリフターを使うことで、カラダが楽になるのも大きなメリットだそう。
20代の頃には身体の無理が利くし体力もあるので、寝転がって作業したり、這いつくばっても、多くのメカニックがちゃんと仕事はできるもの。しかし、30代から40代に入ると、明らかにスタミナがなくなり、寝転がってエンジンを下から見上げると、首が痛くなってしまう。
また、逆さまの姿勢でメガネがズレると「ピントも合わなくなるので、作業が雑になりがちなんです」とも米倉マネージャーはお話して下さった。
バイクリフトがあることで、そうしたデメリットがすべて解消できる。オジサンメカニックやサンデーメカニックにとっては“極めて実用性の高い工具”のひとつなのだ。
【モトジョイ 油圧式電動バイクリフト】■テーブルサイズ:2200×680mm 昇降能力:190×1000mm 耐荷重:500kg 本体重量:220kg 電圧:単相100V(一般家庭用50/60Hzコンセント対応) ●価格:31 万9000円
装備重量500kgまでのバイクに対応したバイクリフト。特殊なモデル以外の量産車ならほぼすべてに対応することができる。前輪の輪止めは乗り越し防止のガードレールタイプ。電動の昇降ペダルスイッチは、リフターフレームの左右にある独立装備。反対側に回り込まずにリフトを昇降できる利便性。オプション部品のサイドスタンドプレート(価格:1万7600円)を取り付けることで、スタンドが横へ張り出すアメリカンバイクにも対応。
エンジン下部や足まわりの作業に効果絶大!!
フロア面に多少の凸凹があっても、リフトフレームにはレベリングボルトが付いているので、水平維持やガタツキがなく、バイクを安定的にリフトアップ!! メンテ作業性だけではなく、バイクの磨き作業時にも素晴らしい仕事をしてくれる。普段はメンテナンス&クリーニングしにくいエンジン下やスイングアームピボット周辺も楽々作業。
パーツクリーナーを吹き付けるときにも、下からではなく横から作業できるので、吹き返しを浴びないで済む。
タイヤジャッキ:重いタイヤの着脱も丁寧に
重いリヤタイヤを取り外すときには、タイヤジャッキがあると大変に便利。タイヤと地面の間にジャッキセットすることで、宙に浮いているタイヤのアクスルシャフトの抜き差しを楽々行うことができるようになる。アクスルシャフトは焦って叩き込みがちになってしまう作業だが、このジャッキがあれば確実かつ落ち着いてスムーズに作業進行することができる。
【モトジョイ タイヤジャッキ】●価格:1万7600円
プロの使用工具紹介「工具は“使いやすさ”で選んでます」
【モトジョイ 米倉孝浩マネージャー】モトジョイのテクニカルスタッフは、それぞれ自分自身が使いやすい工具を使用している。米倉マネージャーの好みとしては、コンビネーションレンチはスタビレー、各種プライヤーやプライヤレンチはクニペックス。HEXドライバーはPBを使うが、プラスドライバーは国産車へのフィット性が良いのでベッセルを利用している。
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