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エンジンアップデートの詳細が判明! ヤマハ新型YZF-R1/R1M 日本仕様は1年遅れが決定的に

さらなる続報だ! ヤマハの新型YZF-R1/R1Mがモデルチェンジした内容については既報通りだが、新たに新作フィンガーロッカーアームと、新作シリンダーヘッド&インジェクターの図版を入手したのでお届けしたい。

高回転域の限界性能を向上するフィンガーロッカーアーム

2020年型YZF-R1/R1Mのエンジンは、ユーロ5排出ガス規制に適合させながら現行モデルと同等の出力を維持。かつクロスプレーン特有のリニアリティとトルク感の向上を目標に開発されている。

そのために手を入れたのが、シリンダーヘッドまわりだ。燃焼室とスロットルバルブの距離を短縮するためにシリンダーヘッド自体を新作とし、さらに新型インジェクターをバルブ傘裏狙いの斜流噴射にて採用。これらによって、低~中回転域の燃焼速度を最適化し、スロットルの開け始めからのリニアリティ感を向上、トルク感をいっそう感じやすい特性に仕上がっているという。なお、高回転域でセカンダリーインジェクターを追加するツインインジェクター方式は継続して採用している。

現行モデルは吸気経路の下側から噴射し、ポートの上壁に当てる方向。新型は上側からの噴射とし、吸気バルブの傘部分に当てる狙いとしているのがわかる。

また、フィンガーロッカーアーム式(いわゆるフィンガーフォロワー式と同じ)バルブシステムの熟成と進化も図っている。アーム形状を見直すことで高回転域でのバルブ挙動特性を向上。レーシングユースでのさらなる高回転化を見据えた限界性能の底上げを果たした。

アームの部分がより直線的な設計となった。これにより軽量化を促進していると思われる。

潤滑系の熟成で馬力ロスの低減も

高回転域での油圧低下を防ぎ、オイル撹拌(かくはん)によるロス馬力低減を図るため、各コンロッド大端へのオイル供給には現行同様に“センター給油方式”を採用。2020年モデルでは、コンロッド大端、クランクジャーナル、ピストンクーラーへのオイル供給量の最適化を図ることで、高回転域でのクランクケース内のオイル攪拌による馬力ロスを、さらに低減した。

また、新たな写真素材として前記事になかったアングルの全体像も配布されたので、こちらもあわせて御覧いただきたい。

YAMAHA YZF-R1 2020
[YAMAHA YZF-R1 2020]エンジン下でエキゾーストパイプをガードするチタン製プロテクターなどが確認しやすいアングルだ。
YAMAHA YZF-R1 2020
[YAMAHA YZF-R1 2020]左前方からのカット。ブレーキパッドも摩擦材を変更し、優れたコントロール性を追求している。

[YAMAHA YZF-R1M 2020 model]主要諸元■全長2055 全幅690 全高1165 軸距1405 シート高860(各mm) 車両重量202kg■水冷4ストローク並列4気筒 DOHC4バルブ 998cc 200ps/13500rpm 11.6kg-m/11500rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L■キャスター24度 トレール102mm ブレーキF=φ320mmダブルディスク+4ポットキャリパー R=φ220mmディスク+1ポットキャリパー タイヤサイズF=120/70ZR17 R=200/55ZR17 ●価格未定 ●発売時期:9月 ●色:カーボン×青 ※諸元等はすべて欧州仕様

[YAMAHA YZF-R1 2020 model]主要諸元■全長2055 全幅690 全高1165 軸距1405 シート高855(各mm) 車両重量201kg■水冷4ストローク並列4気筒 DOHC4バルブ 998cc 200ps/13500rpm 11.6kg-m/11500rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L■キャスター24度 トレール102mm ブレーキF=φ320mmダブルディスク+4ポットキャリパー R=φ220mmディスク+1ポットキャリパー タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/55ZR17 ●価格未定 ●発売時期:9月 ●色:青、黒 ※諸元等はすべて欧州仕様

欧州では2019年9月発売、そして日本における発売(つまり日本仕様)については2020年秋以降を予定と公式に発表された。

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