1987年生まれ・ハチタイ育ち

祝・サンマル30周年!

記念ヘルメットも登場! パーツの再生産にも期待

ホンダの名車と言えば数あれど、そのなかでも初代CB750K0と1・2を争う人気を持っているのがRC30こと1987年発売のVFR750R。今年831日をもって、このRC30がデビュー30周年を迎えます。

当時熱狂的な盛り上がりを見せていた鈴鹿8耐をはじめとするレースでプライベーターがワークスチームに勝てるマシンをと開発されたこのマシン。ワークスマシンRVF750の技術もふんだんにフィードバックされ、特にレーシーな雰囲気を持つ片持ちプロアームは、当時のレプリカ少年たちのハートをグッと鷲づかみにしたのでした。中免ライダーには弟分のNC30=VFR400Rが大人気でしたね。

RC30の新車価格は148万円。今では最新のリッターSSより安い価格となりましたが、当時としては「これを買えるお金持ち、超うらやまし~な~!」というプレミアム設定。なにせ、一般的な750cc価格帯の倍近い値段だったんです。開発当初に営業サイドがびっくりしてGOサインを出さなかったというのも納得できる話。それでも当時のホンダ川本社長に直談判して理想を貫き通した開発責任者・本多和郎氏の情熱など熱い伝説にも事欠きません。

本多和郎/’80年に本田技術研究所入社、早くからV4プロジェクトに関わった。VFR750Fの車体責任者を務め、次いで開発総責任者としてRC30を生み出した。’90年代後半をHRCで過ごし、’11年に定年退職。現在は大学で教鞭をとっている。

で、心配された価格設定ですが、スーパーバイクレースのホモロゲーション台数となる1000台限定で発売してみたところ、これが予約殺到で抽選販売することに! ちなみに通常の倍近い価格といっても中身を知ればバーゲンセールに近いのをマニアは見抜いていたんですな。チタンコンロッドにマグネシウムヘッドカバー、FRPカウルにジュラルミンのハンドルバーやステップなど、当時レーサーしか使われていなかった装備が最初から付いていたんですから。もちろんその本気性能であっという間にレース界を席捲。当初の目的をはたしたわけです。このスーパーバイクベースマシンとして妥協を許さなかった設計のおかげで、今もRC30は最新ラジアルタイヤを履かせて一線級の走りを見せることができるとオーナーたちの間では評判です。

仕様としては、日本国内で売られた77psのもののほかに、欧州・北米向け・スイス向けの3種があり、見分け方はヘッドライト。欧州・北米向けは日本と同じ2眼ながら径が大きく、スイス向けは角型1眼。日本仕様は’88年の限定1000台のみ。後は輸出仕様として’93年まで発売されました。

ホンダではRC3030周年記念の第1弾として、この4月にアライヘルメットのRX-7X特別受注モデル(背面に本多氏のサインとシリアルナンバー入り!)を発売。パーツの再生産や新型V4復活?!など、第2弾、第3弾の展開にも期待したいですね。

サンマルカラーに塗られたアライRX-7X特別受注モデル。RC30のオーナーでなくても欲しくなるカッコ良さだ。(写真はCGです)

■アライRX-7X RC30・30周年記念特別受注モデルのディテール

なんと、箱までRC30なのでした(笑)