日本最大のNSRイベント!?

250台超が大集結!「エリアNSR」

今や希少な存在となった250ccの2サイクルレプリカ。その中でもダントツの人気を誇るホンダNSR250Rは、シリーズ全体で10万台以上が生産されたうち、現在も3万台以上が登録されており、その多くは愛好家によって大切に維持されている。去る5月28日にツインリンクもてぎで開催されたNSRミーティング「エリアNSR」は、そんな愛好家が集結した、日本最大級のNSRイベントだった!

入場300人、台数250台超はおそらく日本最大級

現役時は250ccクラスの最多量販機種(‘88/‘89年)となるなど、超メジャーな存在だったホンダNSR250R。しかし‘99年の生産終了から18年が経過した現在では、二度と作られない2サイクルレプリカの代表選手として、愛好家が大切に維持保管する貴重な1台へと姿を変えつつある。ホンダからは純正部品の再生産が発表されたものの、現状では一部の部品に限られており、機能部品でも欠品はいまだに数多い。維持の苦労は絶えない1台でもある。

それだけに、NSRオーナー間の結束は過去にないほど高まっているのだが、そんなマニアたちが一同に集結したイベントが、5月28日にツインリンクもてぎで開催された「エリアNSR」だ。入場者数は300人を数え、NSRだけでも約250台が集結。この数字は、恐らくNSR250R単一のミーティングとしては過去最大級のものと思われる。

写真をご覧になれば一目瞭然だが、会場のツインリンクもてぎ・東パドックは各年式・各色のNSRで埋め尽くされ、今が2017年だとはとても思えない様相。この光景を目の当たりにしただけでも、NSRオーナーなら口元が緩んでしまって仕方がないはず!?

これ、み〜んなNSR。今は平成何年ですか?(笑)。もちろん会場はNSRオンリーではなく、他機種でも入場可能。

NSRオーナーの世界チャンピオンも来場!

様々な催しが行われたイベントでも、最注目なのは‘09年のWGP250クラス世界王者・青山博一さんの来場だろう。‘09年と言えば250cc・2ストロークレーサーの最終年。つまり青山さんは最後の2スト250王者なわけだが、さらに氏はプライベートでロスマンズカラーの‘94年式NSR250RSPを所有する、現役のNSRオーナーでもあるのだという。トークショーでは「乾式クラッチの音が大好き!」「昔からロスマンズカラーに憧れがあって……」などなど、世界王者という立場ではない、単なるいちNSR好きのコメントが会場を沸かせていた。

青山博一さんはこの日のために、愛車の各部をOHして登場! ロードコース体験走行の先導役も担当してくれた。
トークショーでは、現在青山さんが務めるモトGPマシンのテストから愛車NSRまでウラ話が満載! 司会役はヤングマシン読者お馴染みの丸山浩さん。

特設コースでハチハチに乗れる!?さらに国際コースの走行体験も

会場内に特設コースを設営し、試乗イベントを開催したのもエリアNSRの特徴だ。1周300mほどのパイロンスラローム的なコースながら、レンタルバイクショップが持ち込んだ“ハチハチ”NSRのノーマル車両に加え、NSRの有力ショップが持ち込んだデモ車や、チタンチャンバーやマグホイールの体験というまたとない機会も。さらに、12社によるブース出展では新製品の展示にとどまらず、愛車のワンコインチェックやピンストライプの施工なども催されていた。

加えて、ツインリンクもてぎの国際ロードコースを2周、体験走行できたのも参加者には好評だったようだ。参加費2000円は必要だが、憧れのモトGPコースをツナギ不要で体感できるとあり、100人以上が全長4.8㎞のレーシングコースを愛車とともに楽しんだ。

当日、ツインリンクもてぎではエリアNSR以外のイベントも開催されており「なぜ今日はNSRがこんなに多いんだ!?」と訝しがられていたというロードコース体験走行。
会場をパイロンで区切った試乗コースには、STDの88年式に加え、2台のショップデモ車が供された。

ホンダのNSR関係者も来場、2018年も開催濃厚か?

会場には朝5時半ころから参加者が集まり始め、開場時間の8時にはすでに受付は長蛇の列。来場者は40代と思しき男性が中心で、ほんとうに多種多様なNSRが集結。オーナーの愛情を感じる美麗な車両が多いのはもちろん、当日は即席でカスタムマシンコンテストも開催されるなど、派手なカスタム車両も多数来場していた。

現地では、先述したNSRの純正部品再販についての聞き取り調査も行われ、さらにはNSRの開発担当者もプライベートで来場するなど、メーカー関係者からの注目度も高かった模様。この「エリアNSR」は、ヤングマシンの姉妹誌であるNSR250Rの専門誌「プロスペック」が主催したもので、各方面からの好評を受け、来年以降の開催も検討している模様。今後の動向は同誌のフェイスブックページをチェックして欲しい。

NSR専門誌プロスペック・フェイスブックページ:https://www.facebook.com/nsr.prospec/